京を追われ太宰府に滞在した三条実美ら五人の公家たち


 学問の神様を祀る神社として全国から参拝客が訪れる太宰府天満宮。その入り口にある「延寿王院」をご存じでしょうか。現在は天満宮の宮司・西高辻家の邸宅となっていますが、門の中を柵の外から覗くと「五卿遺蹟」と刻まれた石碑が目に入ります。幕末、幕府と対峙した尊王攘夷派の中心人物でもあった三条実美ら5人の公家たちが京の都を追われ、滞在したのがこの場所でした。滞在は1865年から約3年におよび、その間、五卿と面会するために西郷隆盛や坂本龍馬、桂小五郎ら多くの志士たちが太宰府を訪れています。

①黒い牛革に博多織の献上柄が映えるトートバッグ(38,800円)。オリジナルのバッグや小物は「Karau」の店主・龍薗哲也さんが企画からデザイン、製造、販売までを手掛けている。
②五卿が滞在した「延寿王院」は太宰府天満宮へ向かう参道の突き当たり正面にある。幕府や長州藩の定宿が並んでいた参道では、薩摩藩の定宿であった「松屋」が今でも喫茶と土産物の店として営業中。


 当初、五卿の警備には福岡藩など5藩から830人もがあたりました。厳しい監視の下、志士らとの面会や情報交換、書物の購読や時には乗馬などをして過ごした五卿。滞在の後半には藤の花見や魚捕り、紅葉狩りに出掛けたり、地域の名士たちと酒宴を持ったことなどが記録されています。やがて情勢が変わって五卿が帰京する際、5藩からの千四百両という大金とともに福岡藩から贈られたのが名産品である博多織でした。

内側一面に博多織を使った、馬革の斜めがけショルダーバッグ(41,040円)。「博多織と馬革はとても相性がいい。使えば使うほど手になじんで味わいが増す、育てる楽しみがある革です」と龍薗さん。

武士や庶民に広く知られ五卿へも寄贈された博多織


 博多織と言えば、着物を着る人にとっては“しなやかで締めやすい帯”の代名詞。経(たて)糸を多く用い、緯(よこ)糸を筬(おさ)で強く打ち込んだ帯地は生地に厚みや張りがあり、締めたら緩まないのが特徴で、江戸時代には腰に重い大小の刀を差す武士の角帯として重用されたとか。黒田長政が江戸幕府に献上し、また歌舞伎役者が身に纏ったことから庶民の間でも広く知られていたといいます。

馬革と博多織を組み合わせた六角形のケース、ヘキサゴン(6,480円)。外すボタンの数により様々に形が変わる。コインケースにおすすめ。

中でも仏具の独鈷(とっこ)と華皿を配した「博多献上柄」はデザイン的な評価も高く、最近では鞄や財布などの小物に使われることも増えました。博多織を上質な皮革と組み合わせた「Karau」の商品は店主・龍薗(りゅうぞの)哲也氏が手掛ける一点もの。ちらりと覗く博多織が粋なアクセントになっています。

四角形のパラレル(5,400円)はカードや名刺入れに重宝。ボタンを2つ外すと、中が見やすくお目当てのカードが探しやすい。

Karau(カラウ)
オリジナルの革製品をはじめ店主が厳選した個性的な鞄や小物類が揃う。
福岡県福岡市中央区渡辺通5-5-10 オトフジハウス 1階
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TEL.092-707-0557
営業時間/10:00〜20:30
店休日/不定
※ご来店の際は、営業時間をご確認ください。

取材協力:太宰府天満宮文化研究所
※価格はすべて税込みです。